損保ジャパン日本興亜美術財団奨励賞

今年5月開催の三軌展で「損保ジャパン日本興亜美術財団奨励賞」を受賞しました。
私の知る限り、この賞は少し前まで「安田火災美術財団奨励賞」という賞でした。
今から20年程昔に、師匠の市川先生が受賞されました。
当時は新宿の安田ビル内の東郷青児美術館で、「受賞作家展」という各美術公募団体よりこの賞の受賞作家が新作を展示する展覧会が開かれていました。
私はまだ駆け出しもほやほやの画家もどきでした。
「市川先生の作品とゴッホの「ひまわり」を観れたらいいかな。」位の気持ちで行ってみました。
ところが、私にとってその「受賞作家展」は、物凄く心を揺さぶられる素晴らしい展覧会だったのです。
それぞれの受賞作家達が個性豊かな技法を駆使して描かれた、まさにこれからの日本の美術の可能性を感じて大いに興奮しました。
それから、この賞は私の夢に変わりました。
「この素晴らしい絵の中のひとつに加わりたい。」そんな気持ちが生まれました。
あれから20年経った今年に戻ります。
名前の変わった今回の「損保ジャパン日本興亜美術財団奨励賞」も、実は、私には年齢制限の関係で今年と来年しかチャンスがありませんでした。
半ば縁がなかったとあきらめていただけにとても嬉しい受賞でした。
「さて!受賞作家展か!」
と思っていました。
しかしながら、それは受賞作家展ではなく「face展」と何と公募展に形を変えていました。
それでも
「受賞式の時に損保ジャパンや三軌会の人達から「是非挑戦をしてください!」と云われて「はい!」と答えたしなあ。」
と思い、過去の「face展」について調べてみました。
そこでも驚きました。
どちらかと云うと前衛的、現代的なアート達が受賞作品として紹介されていました。
私のあこがれはいったいどこに行ってしまったのでしょうか!
半ば裏切られた位の気持ちではありましたが、この公募展に挑戦する事にしました。
それが自分の「夢の続き」であると思った事と、

正直な自分の価値観と表現方法を少しスタンスを変えてみたら、その前衛的、現代的な価値観の中で評価されるかどうか試してみたくなったというところです。
自分らしいかどうか分からない作品になりましたが、作品製作は苦労も思考錯誤の連続でしたが、とても楽しいものになりました。
作品は「最初の晩餐」というタイトルです。
つい先日、「face展」入選の発表がありました。
久しぶりに受験生の気分みたいなものを味わいました。
2016年の初旬にその東郷青児美術館で「face展」が開催されます。
是非ともご高覧下さい。