勉強

木蓮
木蓮

受験生にとってそろそろ結果を出すシーズンが来ました。
目標の志望校に受かるために頑張っている受験生も多いのではないでしょうか。
かつて私も自分なりに頑張った思い出があります。
今となってみると自分の学歴が自分の仕事に直接的に役に立ったかどうかは分かりません。
しかし、絵で飯が食べられなかった期間、学習塾の講師として働いていた自分にとっては、その時の受験勉強には本当に助けられたと思っています。
先日、学習塾で一緒に働いていた先輩の先生とお会いして話をさせていただく機会がありました。
その先生はパーキンソン病になってしまい、直接的に会話のキャッチボールをするのが多少困難になっていて、奥様も同席していただく状況でした。
「知り合いの塾が良い講師を探している。」
「知り合いに良いデザイン事務所があり、絵が描ける人を探している。」
そんな事を奥様を通じて話して下さいました。
何のお話なのだろうか?世間話なのだろうか?噛み合わない会話の中で、暫くしてはっとして、涙がこぼれそうになりました。
「もしかして、いや、確実に私の心配をしてくれている。」その事に気付くのに時間がかかってしまいました。
画家として、最も大切なことのひとつに「感じる事」があると思っている自分。
それゆえにお世話になった学習塾には自分の出来ることをと普段から考えているつもりだったのに、なんという鈍感さ。
まだまだ足りていない自分に複雑な思いを感じた勉強になるひとときでした。