塾講師

いつかあなたに SM
いつかあなたに SM

塾講師
絵描きとして生活が困難だった期間、塾講師の仕事がそれを支えていました。
それだけではなくて、教えることの楽しさは自分一人で黙々と絵と対峙する孤独とは対照的で発散するドラマチックさに溢れて、とてもやりがいを感じていました。
間違いと言われるかもしれませんが、自分の持論として、私塾はサービス業であると考えていました。
数理を教えていましたが、自分が人気講師になるために、なるべく授業は説明を簡潔にするように心掛けていました。
日常の中で自己啓発に繋がるような話を特に受験生にはするようにしていました。
私は大したことはありませんでしたが、有能な塾講師は生徒の成績を伸ばし、父兄の対応もしっかり出来て、宣伝上手、生徒も増やします。
実際に塾講師をやっていたなかで気がついたことがありました。
それは、塾講師とスナックのホステスは非常に良く似ていると云う点です。
塾講師もホステスも人気のある人は、
①若い
②何かを持っている
のいずれかであるということです。
①はそれだけでチヤホヤされるのは当然なのですが、そうでなくても人気がある人が、どこの塾にもスナックにも必ずといって良いほど存在しています。
②それは顔が良いとか、話が面白いとか、気が利くだとか、替えがたいキャラを持っているとかでしょう。
まさに②こそが実力であり、いずれの場合も残っていく為に必要な要素であるということなのです。
私が塾講師をしていた約15年の間に3人の先生が亡くなりました。
1人は病気で、2人は自殺でした。
光と影のコントラストが強いという意味でもこの2つの仕事には共通点があるのかもしれません。