ウフィツィ美術館

イタリアへ取材旅行に行った時に、ほぼ一日ウフィツィ美術館で過ごしました。
フィレンツェに到着した時から予感はしていましたが
本当に素晴らしくも痛いような、恥ずかしいような体験でした。
私はその美術館のなかで、インスパイアというよりも、
とてつもない無力感を感じなから、それ等の名画達を観る事しかできなかった事を思い出します。
まず印象的だったのは、イタリアルネサンスの大スターとして
ボッティチェリはウフィツィ美術館でも別格の扱いでした。
人気もあり、会場は人で溢れんばかりになっていました。
画集などでは観ることができなかった繊細さと、絵の勢いと云うか、エネルギーを感じました。
なにしろ、とにかく美術館に入ったらすぐに一枚づつ見たらとてつもない肖像画の数々がずらっと並んでいました。
私がその肖像画を見ているのですが、あれだけの質と量の肖像画の中で
その肖像画たちに見られているような錯覚を覚えました。
楽しみにしていたカラバッジオには、思いの他、真面目な画面作りを先ず感じました。
演出感のある技法の中に狂気にも似たものを感じました。
ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロはやはり、素晴らしい名画達の中でも特別な存在感がありました。
特に抜きに出ていた感じがしました。
桁外れの才能と惜しみない努力の跡には、人間の領域を超えているような凄さを感じてしまいました。
「絵画」とは「人間」とは「創作」「写実」とは何なのかを
もう一度原点に帰って考えるしかないと思わされました。
今年は日本で「ボッティチェリ展」「カラバッジオ展」と観ることが出来るようです。
どんなに時代が過ぎても、これ等の絵画たちはずっと残っていくのでしょう。