終戦記念日

これは昨日の話。

 

雨のお盆。

家族での帰省は前の週、空いている内に済ませた。

「二人展」も近く、出掛ける予定もなく、とにかく仕事をした。

 

仕事しながらいつものようにラジオを聴いていた。

終戦記念日の話が出ていた。

体験談は戦争の「不条理」「強引」「悲惨」等をリアルに感じ、心に響く話ばかりであった。

 

「そういえば、、。」と思い出した。

昔、実家の仏壇の上に青年将校というにはあまりにも若い、軍服を着た少年の写真があった。

「この人誰?」と祖父に聞くと

「お前のお父ちゃんのお兄さんだよ」

と答えてくれた。

父の兄は16歳で特別志願兵として特攻でなくなってしまったとの事。

祖父を含め家族皆が

「特攻に志願するのだけはやめてくれ!」

と止めたが

「俺が守らなくては、誰が日本を守るんだ!」

と云って逝ってしまったとの事だった。

 

いまだにその話を思い出すと涙が出てくる。

少年の純粋な心に当時の教育が素直に強く入り込んでいる。

この「日本」とは「家族」と同義語なのだろう。

 

それを話してくれた祖父が亡くなって28年

戦争で兄を失った父が亡くなって18年

時間が過ぎても、忘れてはいけないことをどうやって思い出し続ければいいのか?

本当に必要なメディアのヒントがある様な気がする。

 

天秤
天秤